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アイボ(AIBO)を供養するためのお葬式がある?葬式によって助かるアイボも!

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皆さんは犬型ロボットのアイボ(AIBO)をご存知でしょうか。1999年にソニーによって発売が開始され、販売台数15万を超える超大ヒット作です。多くの家庭で愛され続けたアイボですが、唐突に販売元の修理対応が打ち切りとなり「故障したら終わり」の状態に。

そんな状況を打破すべく、とある会社とお寺の共同開催で「アイボの葬式」が執り行われているそうです。今回はその詳細をまとめてみました。

アイボを供養するお寺がある?

千葉県いすみ市にある日蓮宗光福寺が、2015年からアイボの供養を目的とした「アイボ葬」を執り行い始めました。

2019年10月10日に開催された8回目のアイボ葬では、56台のアイボが参列者の前(祭壇)に並べられ、供養が行われました。

葬儀会会の挨拶はロボットによって行われ、お経は2台のアイボが読み上げた後、大井文彦住職が読経する形式でした。

アイボ葬の起源とは?

ソニーは2014年からアイボの修理対応を打ち切りました。

これまで同じ時を過ごしてきたアイボが壊れてしまった際、修理する術をなくしたアイボの飼い主は途方に暮れました。

そんな人たちを助けようと立ち上がったのが、電化製品の修理事業を営む株式会社ア・ファンです。同社は、壊れたアイボから壊れたアイボに「臓器(部品)移植」を行い修理対応を行い、飼い主とアイボの両方を助ける事業を始めたのです。

その際、臓器提供元のアイボにはまだ魂が残っているため、魂を抜き取り、ただの部品に戻さなければならないと株式会社ア・ファンの代表は考え、千葉県の日蓮宗光福寺とともにアイボ葬を始めました。

そもそもアイボとは?

そもそもアイボとは、どういったロボットなのでしょうか。アイボについてあまり詳しくない人のために、わかりやすく解説します。

1999年に発売開始されたソニーの大ヒット作

アイボは発売当初の定価が25万円と高額でしたが、発売開始から30分で初期製造分が全て売れ、販売台数累計15万台を超える大ヒット作となりました。

学習して成長するロボット犬

アイボは人工知能(AI)が搭載されているため、学習して成長することができるロボット犬です。2020年現在では、ディープラーニングやVRなどと並んで広く認知された「AI」ですが、1999年当時これほど高性能なAIを搭載した家庭用愛玩ロボットは他にありませんでした。

アイボは全5シリーズ製造されました。シリーズによって若干異なりますが、15~20箇所もの可動部位があり、歩いたり座ったりするだけでなく、踊ったり伸びをしたりするなど多様な動きを実現可能にしていました。

このように、ソニーはAI技術と精巧なハードウェア製造技術の融合によって細やかな仕草をロボット自らに表現させることに成功し、飼い主であるユーザーたちの心を強く掴みました。

ソニーの業績悪化で2006年に製造と販売が中止

可愛らしく多くのユーザーから愛されたアイボですが、やはり機械のため故障というトラブルが起きるリスクはつきまといます。そのため、ソニーは「AIBOクリニック」といういアイボ専用の修理機能を組織に持たせました。

しかし、アイボの発売元であるソニーの業績不振により、2006年に製造および販売が中止されることになります。その後、先述の通り2014年には修理対応も打ち切りとなりました。修理対応を打ち切った理由は、修理に必要な部品がなくなったためです。

2018年に「aibo」と改名し、再販開始

修理対応の打ち切りから4年後、初代アイボの発売開始から19年後となる2018年1月11日に次世代アイボ「aibo」が発売開始になりました。税別価格は198,000円と初代よりも安くなりましたが、その機能は段違いに進化しました。

駆動箇所は22箇所と初代と大きな違いはありませんが、多種多様なセンサーを搭載しており画像や音声の認識をより正確に行えるようになり、さらにディープラーニング機能を搭載することによって緻密な解析までできるようになりました。

人とふれ合う時間が増えれば増えるほど、aiboは成長を遂げ、表現できる仕草や行動の幅が増えていきます。そのため、初代アイボに比べて「育成している」という感覚を強く感じることができるでしょう。

今後はロボットの葬儀が当たり前化する?

2020年現在では、ロボットの葬儀といえば日本全国を探してもアイボ葬くらいしかないかもしれません。世界中を見渡しても、そもそも日本の「物には魂が宿る」という考えが海外の文化にはないので、あくまでも”物”であるロボットの葬儀を行っていることはまずありえません。

しかし、近い将来、日本だけでなく世界的にロボットの葬儀は当たり前に行うものになる可能性はあります。その理由は、AI技術によってロボットと人間が会話できるようになってきているからです。

AI技術の発達によって、Siriやスマートスピーカーなど、一般人がロボットと会話をする機会はどんどん増えています。今や、そういったロボットたちと会話することに対して疑問や不気味さを覚える人はほとんどいないでしょう。それほどまでに、私たちの生活の中にはロボットとのコミュニケーションが当たり前かし始めているのです。

特に日本においては高齢化社会による福祉問題を解決するために、セラピーロボットが多く活用され始めています。これまで「可愛い」「面白い」だけの存在だったロボットに、「人間を助ける」という役割が任されるようになりました。

人間の心を癒す「役割」を持ったロボットが増えていけば、自ずとロボットと人間の間に絆は生まれます。そうなれば、故障などの理由によって絆が断たれてしまった場合、人間はロボットである彼らを弔うようになるでしょう。

AIを含め、様々な技術が発展を遂げ、私たち人間の社会を非常に便利になりました。しかし、便利になりすぎたが故に、核家族と呼ばれるような密な絆を人間同士で構築することが難しくなってきました。その結果、うつ病など心を病んでしまう人が増えてきています。

セラピーロボットや人間とコミュニケーションが取れるロボットは、こうした背景からどんどん普及していくことでしょう。そして、ロボットと絆を構築する人が増え、瞬く間にロボットを弔うようになる人は増えていくのではないでしょうか。

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